D-SENDプロジェクトとは

D-SENDプロジェクト

D-SENDプロジェクトは、「静粛超音速機技術の研究開発」で行っている主要な研究課題の1つである「ソニックブームを半減させるための先進的設計概念及び手法」を実証・評価するためのプロジェクトです。 D-SENDはDrop test for Simplified Evaluation of Non-symmetrically Distributed sonic boom の略で、「非軸対称ソニックブーム場に対する簡易評価のための落下試験」の英語ですが、内容は「低ソニックブーム設計概念実証」という意味です。これまでに研究開発したソニックブームを半減させるための設計技術を適用した無人で無推力の小型実験機を、気球で上空約30km近くまで上昇させたのち分離・落下させ、飛行速度のマッハ数が約1.3となったときに発生するソニックブームを計測して設計コンセプトを確認・実証を行うものです。

ソニックブームとは?

航空機が超音速で飛行する際、胴体や翼、エンジンナセルなどの機体各部では超音速飛行特有の衝撃波が発生し、機体の近傍においては機体の形状に依存した複雑な圧力場が形成されます。それらの衝撃波は大気中を長い距離伝播するにつれて互いに整理・統合され、機体の十分遠方では機体先端と後端の2つの強い衝撃波に集約されるため、地上において2度の急激な圧力上昇を引き起こすN型の圧力波形として観測され、それが爆音となって聞こえます。これをソニックブームと呼んでいます。

目標

D-SENDプロジェクトによる実証試験を行うことによって、国際的に技術優位性の高い低ソニックブーム設計概念の実現性を示すとともに、ソニックブームに関する国際的な環境基準策定に向けた検討に貢献し得るソニックブーム計測手法も獲得します。目標は次の二つです。

  • 低ソニックブーム設計概念の実証
  • 空中ソニックブーム計測技術の実証
D-SENDデータベースとは

D-SENDデータベース

D-SENDデータベースとは、D-SENDプロジェクトで得られたソニックブーム計測データ等をまとめたデータベースであり、国内外のソニックブーム研究者に活用して頂くことで、ソニックブーム推算技術の向上や低ソニックブーム設計技術の向上を目指しています。

D-SENDデータベースには、2011年5月に実施したD-SEND#1落下試験の供試体形状データ・落下軌道データ・気象データ・ソニックブーム計測データをはじめ、空中ソニックブーム確認飛行試験(ABBA Test)における模擬航空機形状データ・ 飛行経路データ・気象データ・ソニックブーム計測データ等が含まれており、将来的には2013年に実施されるD-SEND#2飛行試験の結果も公開する予定です。

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